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定価 本体47,600円+税
発行 2006年6月
体裁 B5ハードカバー上製421頁
編集 西澤 仁(西澤技術士事務所)
ISBN 4−907837−13−5 C3058


11、高分子材料難燃化技術の新しい展開
─最新技術・材料・リサイクル・評価・特許・規制─



「発火事故・火災は重大な損害をまねきます。」
必須材料技術・プラスチック難燃化のすべて

○企業研究者による最新難燃化技術・難燃材料詳述。−NEC、富士ゼロックス、旭電化工業、カルプ工業、新日鐵化学、出光興産−
○ナノコンポジット・難燃バイオプラ・イントメッセント系・シリコーン・ノンハロなど最新技術網羅。
○エレクトロニクス、I・T、電線・ケーブル、自動車、鉄道、建築、繊維などの難燃応用製品解説。
○リサイクル、評価技術、特許、最新環境対応型難燃技術研究動向紹介。
○海外と日本における難燃規制・難燃規格をまとめる。
○豊富なデータと図表(表:計230,図:計211)

◆編集 西澤 仁(西澤技術研究所)


出版にあたって
 
 
現在、生活環境の中に占める高分子材料の役割は極めて大きい。
 電気電子機器、OA機器、自動車、建築、繊維製品、各種日用品等多くの製品に高分子材料が使われている。それは高分子材料が作り易く使い易いからである。しかしながら高分子材料には唯一の欠点がある。それは燃えやすいことである。そのため世界的に火災事故における危険性を考慮して難燃性規格を定め安全性試験に合格する製品の使用を義務づけている。
 そのため汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、合成ゴム、各種繊維等に難燃材料が使用されており、そこに難燃化技術が貢献している。現在、日本国内では毎年火災事故により約2000人が死亡し、多額の損失をだしており、難燃化技術の社会的な役割が益々重要になってきている。
 現在の難燃性高分子材料は、燃えにくいばかりではなく、物性、長期安定性と共に環境安全性、リサイクル性に優れていることが要求されている。
 今回、このような要求に答えるために最新の難燃化技術の開発に従事しているエクスパートに御願いして難燃化の最新技術を中心にした本書を刊行する運びになった。 本書は、難燃化技術の基本技術を考察しながら、環境問題、リサイクル問題、難燃性バイオ材料、ナノコンポジット難燃材料、高難燃材料等最近の新しい展開を内容に盛り込んだことを特徴としている。
 本書は、難燃材料の開発に携わる技術者のみならず設計技術、営業技術、営業、製造技術関係者の皆様にも大いに役立つものと確信している。
 
 
〜執筆者一覧(敬称略)〜
西澤 仁 (西澤技術研究所代表)
位地 正年(NEC(株)基礎・環境研究所エコマテリアルTG研究部長)
会田 二三夫((社)電線総合技術センターセンター長)
遠藤 三郎((財)鉄道総合技術研究所ISO審査登録センター)
仲谷 一郎((財)建材試験センター性能評価本部副本部長)
大越 雅之(富士ゼロックス(株)技術開発本部機能部材開発部)
村瀬 久 (旭電化工業(株)樹脂添加剤開発研究所改質剤研究室室長)
林 日出夫(カルプ工業(株)複合材料研究所チームリーダー)
川辺 正直(新日鐵化学(株)総合研究所機能性樹脂開発グループマネジャー)
野寺 明夫(出光興産(株) 樹脂研究所 研究主任)
谷 美幸 (松下電器産業(株)パナソニックAVCネットワークス社AVCデバイス開発センター主幹技師)
山脇 隆 (プラスチック処理促進協会総合企画室部長)
高橋 珠江(ケミトック(株)業務統括マネージャー)
植田 和夫((株)東洋精機製作所営業統括部)
 
 
 


●内容目次および執筆者

■第1編 難燃規制と最新の高分子材料難燃化技術‥‥‥西澤 仁

【第1章】 WEEE,RoHSの内容と課題
1.はじめに
2.WEEE,RoHSの内容
【第2章】 日本における難燃規制,難燃規格について
1.まえがき
2.日本における難燃規制,難燃規格の現状
2-1日本における難燃規制,難燃規格の動き
2-2電気電子機器,OA機器
2-3電線,ケーブル
2-4建築用材料
2-5自動車用材料
2-6車両用材料
2-7船舶用材料
2-8航空機用材料
2-9繊維製品
2-10その他製品の難燃性規格
2-11熱硬化性プラスチック
3.まとめ

■第2編 難燃化技術の最新動向‥‥‥西澤 仁

【第1章】 ポリマーの燃焼性と難燃化機構
1.ポリマーの燃焼性
2.高分子材料の難燃化機構
【第2章】 ナノコンポジット難燃材料の開発
1.ナノコンポジット難燃材料の特徴
2.ナノコンジット難燃材料の製造
2-1ナノフィラーの種類とメーカー
2-2ナノコンポジットの製造法
2-3ナノコンポジット化の評価
3.難燃性ナノコンポジト材料の研究動向
3-1難燃機構に関する最近の研究
3-2ナノコンポジット難燃材料(ナノフィラー単独)の研究
3-3ナノコンジットと従来難燃系との併用に関する研究
4.参考文献,引用文献
【第3章】 最近の無機系,りん系,その他難燃系の研究動向
1.最近の難燃化技術の特徴と課題
2.りん系難燃剤による難燃化技術の最近の動向
3.水和金属化合物系難燃剤による難燃化技術の動向
4.その他難燃剤による難燃化技術の動向

■第3編 難燃材料の最新動向‥‥‥西澤 仁
1.まえがき
2.難燃材料の種類と要求される性能
3.各種難燃材料の種類と特性
3-1ポリオレフィン系難燃材料
3-2ポリスチレン難燃材料
3-3ABS難燃材料
3-4ポリアミド難燃性樹脂
3-5ポリカーボネート難燃性樹脂
3-6ポリエチレンテレフタレート難燃性樹脂
3-7PBT難燃性樹脂
3-8その他難燃性樹脂
4.参考文献

■第4編 難燃材料応用製品の動向

【第1章】 電気電子機器(筐体材料)‥‥‥NEC 位地正年
1.これまでの経緯
2.現状
3.今後の動向
4.今後のニーズ
4-1難燃剤の低発煙性
4-2ポリスチレン系やポリ乳酸系での脱ハロゲン化技術の確立
4-3難燃性と新機能性の両立による付加価値向上
【第2章】 電線・ケーブル‥‥‥(株)電線総合技術センター 会田二三夫
1.はじめに
2.難燃化の経緯
3.ノンハロゲン難燃化技術
4.EM電線・ケーブルの特性
4-1品種
4-2物性
4-3火災安全性
5.今後の課題
【第3章】 自動車用難燃材料‥‥‥西澤 仁
1.まえがき
2.自動用難燃規制の現状
3.自動車用難燃材料
4.参考文献
【第4章】 鉄道における車両火災対策の変遷‥‥‥(財)鉄道総合技術研究所 遠藤三郎
1.はじめに
2.鉄道車両火災対策の変遷
2-1鉄道車両火災事故
2-2火災対策
3.鉄道車両用材料
3-1材料に適用される法規制
3-2燃焼性判定試験方法
3-3使用材料の変遷
3-4材料への要求課題
4.おわりに
【第5章】 建築‥‥‥(財)建材試験センター 仲谷一郎
1.人工高分子材料で建築物を造る
2.構造関連規程をクリアする
3.防火関連規程を満足する
4.防火関連の要求を満足する部材
5.防火関連の要求を満足する材料
6.大臣認定を取得する
7.その他の注意事項
【第6章】 繊維製品‥‥‥西澤 仁
1.まえがき
2.繊維の燃焼と難燃化技術
3.難燃性繊維の種類と性能

■第5編 企業研究者による最新難燃化技術研究開発動向

【第1章】 NECにおける難燃化技術と難燃材料開発への取り組み‥‥‥NEC 位地正年
1.はじめに
2.フライアッシュ添加難燃性ポリカーボネート
2-1背景
2-2フライアッシュのポリカーボネートへの難燃効果と難燃メカニズム
2-3フライアッシュ添加ポリカーボネート樹脂の実用特性の評価
3.難燃性バイオプラスチックの開発
3-1背景
3-2脱ハロゲン脱リンの難燃性ポリ乳酸の開発
4.自己消火性エポキシ樹脂組成物の難燃性や耐熱性の強化
4-1背景
4-2新規窒素系不燃性ガス発生剤による難燃性と耐熱性の改良
【第2章】 富士ゼロックスにおける難燃樹脂開発の取り組み‥‥‥富士ゼロックス(株)大越雅之、安野道昭、野中友晴
1.OA機器に使用される樹脂材料への難燃要求
2.難燃樹脂の法的規制動向とその対応
3.当社に於ける樹脂材料の環境対応活動
4.難燃樹脂の材料技術課題への取り組み
4-1ノンハロゲン難燃剤の課題
4-2ノンハロゲン難燃樹脂の開発
4-2-1リン系難燃剤の開発動向
4-2-2リン系難燃剤以外のノンハロゲン難燃技術
5.まとめ
【第3章】 新規イントメッセント系難燃剤の開発‥‥‥旭電化工業(株) 村瀬 久
1.はじめに
2.ポリオレフィン用難燃剤の種類
3.イントメッセント系難燃剤
4.新規難燃剤
4-1特長
4-2耐熱性
4-3難燃性
4-4耐水性
4-5発煙性
5.特性及び難燃剤配合樹脂物性
6.技術的課題
7.今後の動向
【第4章】 ノンハロゲン難燃化技術−ポリプロピレンを中心として−‥‥‥カルプ工業(株) 林 日出夫
1.序論
2.ノンハロ難燃化技術
2-1市販のリン酸塩系難燃剤及び難燃助剤
2-2リン酸塩系難燃システムの難燃メカニズム
2-3リン酸塩系難燃システムの技術的課題と開発状況
3.難燃剤各メーカーの開発品
【第5章】 ポリスチレンを中心とする芳香族ビニル系樹脂の難燃化技術‥‥‥新日鐵化学(株)川辺正直
1.ポリスチレンを中心とする芳香族ビニル系樹脂の難燃化技術をめぐる背景
2.PS系ノンハロゲン難燃材料の開発
2-1PS系ノンハロゲン難燃材料の難燃処方設計
2-2リン酸エステル系ノンハロゲン難燃PSの開発
2-3赤リン系ノンハロゲン難燃PSの開発
3.官能芳香族ビニル樹脂を使用した低誘電損失難燃材料の開発
3-1芳香族ビニル系低誘電損失難燃材料開発の背景
3-2多官能芳香族ビニル樹脂を使用した低誘電損失難燃材料の開発
4.ポリスチレンを中心とする芳香族ビニル系樹脂の難燃化技術の課題と今後の展望
【第6章】 PC/ABSのシリコーンによる難燃化技術‥‥‥出光興産(株) 野寺明夫
1.はじめに
2.シリコーンにおけるPC/ABS難燃化
2-1シリコーンにおけるPC難燃化
2-2シリコーン共重合PCの難燃化メカニズム
2-3シリコーンPC難燃技術のPC/ABSへの応用
3.シリコーン系難燃PC/ABSの特性
3-1一般特性
3-2成形性
3-3リサイクル特性
3-4耐光性
4.シリコーン系難燃PC/ABS用途展開

■第6編 リサイクル技術の進展と難燃材料

【第1章】 難燃材料のマテリアルリサイクル‥‥‥松下電器産業(株) 谷 美幸
1.はじめに
2.難燃材料のリサイクル技術
3.難燃剤入り部品
3-1塩化ビニール(1)電線(2)部品の被覆材(3)外装
3-2臭素系難燃剤入り部品(1)プリント板(2)外装(3)その他部品
4.マテリアルリサイクル実現のキーテクノロジー
5.識別技術
5-1各種識別方式の紹介(1)ラマン分光方式(2)スパーク発光分光分析法(3)近赤外線分析法(4)熱分解赤外分光法(5)中赤外線分光分析法
5-2識別装置の紹介
6.難燃剤除去技術
6-1混練抽出方法の紹介
7.リサイクルしやすい難燃プラスチックの開発
8.おわりに
【第2章】 ケミカルリサイクルと臭素含有プラスチック‥‥‥プラスチック処理促進協会 山脇 隆
1.はじめに
1-1循環型社会に向けた国内の動向
1-2プラスチック生産量・廃棄量及び処理処分
2.プラスチックリサイクル手法とエコ効率
2-1プラスチックリサイクル手法の分類(1)材料リサイクル(マテリアル,メカニカルリサイクル)(2)ケミカルリサイクル(フィードストックリサイクル)(3)サーマルリサイクル(エネルギー回収)
2-2エコ効率から見たリサイクル手法の選択
3.臭素系難燃剤含有プラスチック
3-1臭素系難燃剤とその用途
3-2臭素系難燃剤の変遷とリスク回避
3-3家電リサイクル法とその課題
4.臭素系難燃剤含有プラスチックのガス化技術開発
4-1ガス化処理過程における臭素の挙動
4-2臭素含有プラスチックのガス化技術開発
5.欧州における臭素含有プラスチックの処理動向
5-1カールスルーエ研究センター:ストーカー炉混焼による臭素と熱の回収
5-2オランダエネルギー研究センター:熱分解・高温ガス化2段処理による臭素回収
6.まとめ

■第7編 難燃性評価技術の進歩

【第1章】 難燃性規格UL,IEC,JIS規格等とその評価方法‥‥‥ケミトック(株) 高橋珠江
1.燃焼性試験方法に関する規格の現状
(1)炎のキャリブレーション(2)水平燃焼性試験;HB(3)垂直燃焼性試験;V(4)薄いサンプルの垂直燃焼性試験:VTM(5)500W燃焼性試験;5V(6)発泡材料の水平燃焼性試験;HF-1、HF-2、HBF(7)ニードルフレーム試験:(8)電線,コード,絶縁チューブの燃焼性試験
2.炎が出ない着火源を用いた試験方法

【第2章】 コーンカロリメータ‥‥‥(株)東洋精機製作所 植田和夫
1.はじめに
2.歴史
3.構成
3-1燃焼チャンバー
3-2排気装置
3-3ガス分析装置
3-4校正装置
4.規格との関連
5.測定項目6.ルームコーナー試験(ISO 9705)
7.コーンカロリメータの周辺
7-1 酸素濃度制御コーンカロリメータ
7-2 燃焼毒性ガス分析システム
7-3 コーン腐食計
8.さいごに

■第8編 「環境」対応型難燃化技術研究の最新動向─2005年後半にみられる研究動向‥‥‥西澤 仁

1.まえがき
2.環境対応型難燃化技術に関する最新の研究成果
2-1ナノコンポジット,無機難燃系を中心とした難燃系
2-2りん化合物,シリコーン化合物,その他難燃剤による難燃化技術

■第9編 難燃剤、難燃材料に関する最近の特許‥‥‥西澤 仁

1.まえがき
2.2004年と2005年の特許動向
2-1 2004年の動向
(1)ハロゲン系難燃剤,難燃材料に関する特許(2)りん系難燃剤,難燃材料に関する特許(3)無機系難燃剤,難燃材料に関する特許(4)窒素系難燃剤,難燃材料に関する特許(5)シリコーン系難燃剤,難燃材料に関する特許
2-2 2005年の動向
(1)ハロゲン系難燃剤,難燃材料に関する特許(2)りん系難燃剤,難燃材料に関する特許(3)無機系難燃剤,難燃材料に関する特許(4)窒素系難燃剤,難燃材料に関する特許(5)シリコーン系難燃剤,難燃材料に関する特許(6)その他難燃剤,難燃材料に関する特許
3.あとがき

■第10編 難燃化技術の今後の方向‥‥‥西澤 仁

1.まえがき
2.今後の難燃化技術の方向
2-1 難燃化機構の解明に関する研究
2-2 新規難燃系,難燃材料の開発






 

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