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定価 本体46,000円+税
発行 2011年4月
体裁 B5ハードカバー上製184 頁
編集 石原達己(九州大学)
ISBN 978−4−907837−22−8 C3058
 
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21、金属・空気2次電池の開発と最新技術



は じ め に
 
 
電気自動車をはじめ、ロボットや種々の携帯機器の進展により、蓄電デバイスの高容量化が
強く望まれ、現在、革新的な電源への要求が極めて高まっている。エネルギーの大量消費に伴
う地球温暖化問題や自然エネルギーの平準化などからも高容量な蓄電デバイスへの要求が高い。
このような背景の下で、金属・空気電池開発への期待が高まっている。金属・空気電池は1960
年代より、開発が活発化した電池であり、すでに亜鉛・空気電池は実用化されて、入手も容易
な電池である。しかし、これらの空気電池はいずれも1 次電池であり、繰り返し充放電に課題
がある。空気電池は正極活物質が空気なので、原理的に半電池で機能できることに加え、金属
というエネルギー密度が極めて大きな活物質を用いることから、軽くて高容量で、安価な電池
となる可能性があり、2 次電池化が実現できると、ポストLi イオン2 次電池として極めて有望
である。金属・空気電池は2 次電池として開発も行われてきたが、デンドライト生成の抑制や
空気中の水蒸気や炭酸ガスとの反応といった課題があり、まだ実現していない。しかし、近年、
メソポーラス材料や負極金属の形状制御、電解質の固体化などにナノテク技術に立脚した大き
な進展があり、2 次電池化にとっての要素技術が整いつつある。そこで、今回、金属・空気電池
について最新の開発状況をまとめ、現在、開発を行っている研究者、技術者や今後、開発を行
おうと考えている研究者の参考になればと考えている。空気電池は長い歴史がありながら、成
本がなく、本書が教科書としてもお役に立てればと考えている。本書では空気電池のみでなく、
電池の分野の第一線で活躍しておられる先生方に執筆をお願いした。お忙しい中を快く執筆を
いただいた各章の執筆者に深く感謝するとともに、本書が電池の分野の発展に寄与することを
願っている。
平成23 年3 月
石原 達己
 
 
執筆者一覧
[編集]
石原 達己     九州大学 大学院工学研究院応用化学部門   

[執筆者一覧](執筆順)
山木 準一     九州大学 先導物質化学研究所
大崎 隆久     鞄月ナ 佐久工場SCiB開発部
石原 達己     九州大学 大学院工学研究院応用化学部門 
水野 史教     トヨタ自動車梶@電池研究部
射場 英紀     トヨタ自動車梶@電池研究部
蓑輪 浩伸     日本電信電話梶@NTT環境エネルギー研究所
林 政彦      日本電信電話梶@NTT環境エネルギー研究所
正代 尊久     日本電信電話梶@NTT環境エネルギー研究所
斉藤 景一     日本電信電話梶@NTT環境エネルギー研究所
金村 聖志     首都大学東京 大学院都市環境科学研究科
周 豪慎      (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門
今西 誠之     三重大学 大学院工学研究科
清水 陽一     九州工業大学 大学院工学研究院物質工学研究系応用化学部門
岡田 昌樹     東ソー梶@南陽研究所
芳尾 眞幸     佐賀大学 先端研究教育施設
藤原 直子     (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門
盛満 正嗣     同志社大学 理工学部環境システム学科
江頭 港      山口大学 大学院理工学研究科 
林 晃敏      大阪府立大学 大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分野 
辰巳砂 昌弘    大阪府立大学 大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分野 
森田 昌行     山口大学 大学院理工学研究科 
小笠 和仁     潟Iハラ 研究開発第二部

 
 
 

目  次

第 1章 金属-空気電池の特徴と魅力
山木準一
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥9
2. 特徴‥‥‥‥‥‥‥‥9
3. 研究の歴史‥‥‥‥‥‥‥‥10
4. 燃料電池との類似点‥‥‥‥‥‥‥‥13
5. 負極活物質‥‥‥‥‥‥‥‥13
6. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥14

第 2 章 空気一次電池の開発現状と二次電池化の課題
大ア隆久
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥15
2. 亜鉛-空気一次電池‥‥‥‥‥‥‥‥16
2-1. 亜鉛-空気電池の構造・材料‥‥‥‥‥‥‥‥17
2-2. 電池反応‥‥‥‥‥‥‥‥18
2-3. 電池性能‥‥‥‥‥‥‥‥19
3. リチウム-空気電池への展開‥‥‥‥‥‥‥‥22
3-1. 電池構成‥‥‥‥‥‥‥‥22
3-2. 電池反応‥‥‥‥‥‥‥‥23
3-3. カーボン材料‥‥‥‥‥‥‥‥23
3-4. 有機溶媒電解液中での長期放電‥‥‥‥‥‥‥‥25
3-5. 疎水性イオン液体を用いたリチウム-空気電池 ‥‥‥‥‥‥‥‥27
4. 二次電池化への展望と課題‥‥‥‥‥‥‥‥28
4-1. 亜鉛-空気二次電池‥‥‥‥‥‥‥‥28
4-2. リチウム-空気二次電池‥‥‥‥‥‥‥‥30
5. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥30

第 3 章 リチウム空気 2 次電池の空気極触媒
石原達己
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥31
2. Li-空気 2 次電池の空気極触媒の現状と課題‥‥‥‥‥‥‥‥31
3. 電極反応の解析と空気極触媒‥‥‥‥‥‥‥‥35
4. 空気極触媒としてのメソポーラス MnO2 の作成と応用 ‥‥‥‥‥‥‥‥40
5. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥43

第 4 章 非水電解液を用いたリチウム空気二次電池の反応解析
水野史教,射場英紀
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥45
2. Li 空気電池の反応原理‥‥‥‥‥‥‥‥46
3. Li 空気電池の研究状況‥‥‥‥‥‥‥‥47
4. Li 空気電池の充放電反応メカニズム‥‥‥‥‥‥‥‥48
5. Li 空気電池のエネルギー効率向上に向けた今後の取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥53
6. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥53

第 5 章 金属空気二次電池研究開発の現状と将来展望
蓑輪浩伸,林 政彦,正代尊久,斉藤景一
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥57
2. 金属空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥57
3. 亜鉛空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥59
4. アルミニウム空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥61
5. 鉄空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥62
6. 水素吸蔵合金空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥62
7. マグネシウム空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥63
8. リチウム空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥64
9. 今後の展望‥‥‥‥‥‥‥‥66
10. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥67

第 6 章 リチウム金属負極の研究開発
金村聖志
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥70
2. リチウム金属負極の充放電の可逆性‥‥‥‥‥‥‥‥70
3. リチウム金属表面の状態‥‥‥‥‥‥‥‥72
4. セパレータによる界面制御‥‥‥‥‥‥‥‥74
4-1. 3DOM 構造とは‥‥‥‥‥‥‥‥74
4-2. リチウム金属の溶解折出‥‥‥‥‥‥‥‥75
4-3. サイクル特性の向上には ‥‥‥‥‥‥‥‥77
5. 空気電池用負極としての問題点‥‥‥‥‥‥‥‥77
6. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥78

第 7 章 水系リチウム空気電池の研究開発
周 豪慎
1. 緒言‥‥‥‥‥‥‥‥80
2. 従来型リチウム-空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥80
3. 水系リチウム-空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥82
4. リサイクルによる燃料電池型リチウム-空気電池‥‥‥‥‥‥‥‥85
5. 水系リチウム-空気電池の問題点と発展方向‥‥‥‥‥‥‥‥88

第 8 章 リチウム空気水系二次電池の負極材料
今西誠之
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥91
2. 中間層の抵抗‥‥‥‥‥‥‥‥92
3. セラミックスフィラーを添加したポリマー電解質 ‥‥‥‥‥‥‥‥93
4. イオン液体を添加したポリマー電解質‥‥‥‥‥‥‥‥96
5. リチウム溶解析出反応‥‥‥‥‥‥‥‥97
6. リチウム空気電池用電解液の開発‥‥‥‥‥‥‥‥100
7. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥103

第 9 章 金属・空気水系電池の空気極触媒
清水陽一
1. 緒言‥‥‥‥‥‥‥‥105
2. 金属・空気水系電池の酸素還元空気極触媒‥‥‥‥‥‥‥‥105
2-1. 金属・空気水系一次電池用空気極触媒‥‥‥‥‥‥‥‥105
2-2. 金属・空気水系空気極触媒の酸素還元反応機構‥‥‥‥‥‥‥‥107
2-3. 金属・空気水系二次電池用空気極触媒‥‥‥‥‥‥‥‥109
3. まとめ‥‥‥‥‥‥‥‥110

第 10 章 空気極触媒としての各種MnO2 相とその合成方法
岡田昌樹,芳尾眞幸
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥112
2. 二酸化マンガン (MnO2) ‥‥‥‥‥‥‥‥113
2-1. 二酸化マンガンの結晶構造‥‥‥‥‥‥‥‥113
2-2. 二酸化マンガンの合成‥‥‥‥‥‥‥‥117
3. MnO2 の合成例 ‥‥‥‥‥‥‥‥122
4. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥123

第 11 章 金属空気電池のための固体高分子形空気極
藤原直子
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥125
2. 金属空気電池の二次電池化における空気極の問題点と課題 ‥‥‥‥‥‥‥‥125
3. 固体高分子形空気極の電極構造‥‥‥‥‥‥‥‥128
4. 固体高分子形空気極の耐 CO2 特性‥‥‥‥‥‥‥‥129
5. 過電圧低減のための可逆空気極触媒‥‥‥‥‥‥‥‥132
6. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥134

第 12 章 水素/空気二次電池の研究開発
盛満正嗣
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥136
2. 電池反応‥‥‥‥‥‥‥‥136
3. 特徴‥‥‥‥‥‥‥‥137
4. 正極の開発‥‥‥‥‥‥‥‥138
4-1. 正極材料‥‥‥‥‥‥‥‥138
4-2. 酸素透過性と分極特性‥‥‥‥‥‥‥‥140
4-3. サイクル特性‥‥‥‥‥‥‥‥141
5. 電池特性‥‥‥‥‥‥‥‥142
5-1. 電池構造‥‥‥‥‥‥‥‥142
5-2. 出力特性・サイクル特性‥‥‥‥‥‥‥‥142
6. 今後の展望と課題‥‥‥‥‥‥‥‥145

第 13章 鉄-空気二次電池用複合負極の研究開発
江頭 港
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥148
2. 鉄-空気二次電池の概要および研究の経緯‥‥‥‥‥‥‥‥148
3. 鉄/ナノ炭素複合負極の設計および評価‥‥‥‥‥‥‥‥151
4. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥156

第 14 章 リチウムイオン伝導性材料の開発動向
―硫化物ガラス系材料を中心に―
辰巳砂昌弘,林 晃敏
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥158
2. リチウムイオン伝導性固体電解質‥‥‥‥‥‥‥‥158
3. ガラス系材料の優位性‥‥‥‥‥‥‥‥161
4. 硫化物ガラスセラミックス電解質‥‥‥‥‥‥‥‥162
5. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥165

第 15 章 リチウム-空気電池のポリマーゲル電解質
森田昌行
1. はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥168
2. ポリマーゲル電解質の特徴‥‥‥‥‥‥‥‥168
3. ポリマーゲル中での金属リチウムの挙動 ‥‥‥‥‥‥‥‥171
4. リチウム-空気電池の設計と正極反応‥‥‥‥‥‥‥‥171
5. おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥172

第 16 章 リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス
(オハラ技術資料)
小笠和仁
1. ガラスセラミックス‥‥‥‥‥‥‥‥174
2. オハラのリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの特性 ‥‥‥‥‥‥‥‥174
2-1. 組成と諸特性‥‥‥‥‥‥‥‥174
2-2. リチウムイオン伝導性‥‥‥‥‥‥‥‥175
2-3. 耐水性‥‥‥‥‥‥‥‥175

索  引‥‥‥‥‥‥‥‥179























 

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