技術教育出版(有)
 

 
技術教育出版社の出版案内 好評発売中
書籍のご案内に戻る
定価 本体23,800円+税
発行 2005年6月
体裁 B5ソフトカバー149頁
編集 早瀬修二(九州工業大学)
ISBN 4−907837−11−9 C3058

9、色素増感太陽電池の研究開発と最新技術

●最新技術と商品化への取り組み、評価技術について詳述
●シャープ、新日本石油、フジクラ、昭和電工、触媒化成工業などの企業の取り組みと、大学・公的研究機関の最新の研究開発を解説


出版にあたって
 色素増感太陽電池実用化へ向けての重要なポイントの一つは、電解液部分の不揮発化および固体化である。不揮発化については揮発性の有機溶媒の代わりにイオン性液体を用いる研究開発が、固体化については、1)電解液をゲル状固体化する方法、2)有機ホール輸送層を用いる方法、3)p-型半導体を用いる方法等が展開されている。
 プラスチック透明電極を用いるフレキシブル色素増感太陽電池は、変換効率は多少低くとも、大量生産が可能であり、軽量でデザイン性に優れ、従来の太陽電池にはない多くの特長を有している。
 こうした商品化を強く意識した研究開発にも大きな期待が集まっている。
 本書の第1章から第15章までは、光機能材料研究会と各執筆者のご好意とご承諾により「会報光触媒」より転載させていただいたものであり、また、第16章は、シャープ(株)様のご好意により新たに書き下ろしていただいたものです。
 ここに、光機能材料研究会と執筆者の皆様のご協力に心よりお礼申し上げます。
 
●内容目次および執筆者
    
第1章 色素増感太陽電池の研究開発動向
九州工業大学 早瀬修二
1.はじめに
2.研究開発動向の概要
3.まとめ

第2章 高性能色素増感太陽電池のために─色素のデザイン─
(独)産業技術総合研究所 杉原秀樹 柳田真利 山口岳志 春日和行

1.はじめに
2.最低空軌道(LUMO)の制御
3.最高被占軌道(HOMO)の制御
3.1イオウドナーをもつRu(U)錯体
3.2酸素ドナーをもつRu(U)錯体
3.3窒素ドナーをもつRu(U)錯体
4.今後の課題等

第3章 複合酸化物系光電極による
    色素増感太陽電池の高効率化
京都大学 吉川 暹

1.はじめに
2.SATM法によるメソポーラスチタニア光電極の調製
3.複合酸化物系の光電極 
4.ジルコニア/チタニア複合酸化物系光電極
5.複合化による効果
6.終わりに


第4章 ナノ結晶酸化チタン膜のマイクロ波焼成と
    光電子移動 東北大学 内田 聡
1.はじめに
2.マイクロ波の特徴と加熱原理
3.色素増感太陽電池への応用
4.焼成状態の評価
5.終わりに


第5章 色素増感太陽電池の特長とナノ材料について
触媒化成工業(株) 小柳嗣雄
1.はじめに
2.シリコン系太陽電池と色素増感太陽電池の発電原理の違い
3.色素増感半導体膜構造
4.二酸化チタンの構造と光電子特性
5.ナノチタニアの製造法
5.1コロイド状チタニアの製造法5.2チタニア半導体二層構造の特長
5.3コア・シェルチタニア粒子を使用したチタニア電極の特性
5.4チタニアナノチューブ(TNT)を用いたDSC特性
6.まとめ



第6章CuIによる全固体化およびその高効率化
静岡大学 昆野昭則 G.R.アソカ.クマラ
スリランカ Institute of Fundamental Studies K.テンナコン
1.はじめに
2.CuIをp-型半導体層とする固体型色素増感太陽電池
3.TiO2電極の作製法と短絡防止層の効果
(1)TiO2電極作製法T
(2)TiO2電極作製法U
4.ヨウ化銅層の形成とチオシアン酸イミダゾリウム添加効果
5.色素吸着多孔質TiO2層の表面被覆による電荷再結合の抑制と開回路電圧の向上
6.おわりに



第7章 ナノ粒子を用いた色素増感太陽電池の
    固体化に関する研究 九州工業大学 早瀬修二
1.はじめに
2.色素増感太陽電池の発電機構と固体化で影響を受ける部位
3.電解液の固体化とナノ粒子
4.ナノ粒子を用いた潜在性ゲル電解質前駆体
5.結論


第8章 ゲル状イオン伝導性ポリマーによる固体化
新日本石油(株) 錦谷禎範 久保貴哉 朝野 剛
1.はじめに
2.イオン伝導性ポリマーの種類
3.PVDF-HFP系イオン伝導性ポリマーを用いた色素増感太陽電池の固体化
(1)光電変換効率のI 3 拡散係数依存性
(2)光電変換効率のセルギャップ依存性
(3)I 3 の濃度プロファイル
(4)イオン伝導性ポリマーに要求される拡散係数
4.おわりに


第9章 ポリマー電解質による色素増感太陽電池の
    擬固体化 シャープ(株) 古宮良一 韓礼元
    
    
1.はじめに
2.ポリマー電解質を用いるセル
2.1ポリマー材料
2.2ポリマー電解質セルの作製方法
2.3イオン伝導度のポリマー濃度依存性
2.4セル特性におけるポリマー濃度の影響
2.5電解質組成の検討
3.おわりに


第10章 フィルム型カラフル太陽電池“レインボーセル” 岐阜大学 箕浦秀樹 吉田 司
1.はじめに
2.色素増感太陽電池とは?
3.色素増感太陽電池の生きる道─フィルム型カラフル太陽電池
4.酸化チタンに代わって酸化亜鉛を!
5.電気めっきによる光電極作製法の確立
6.電析法で得られた酸化亜鉛/エオシンYハイブリッド薄膜の性質
7.“レインボーセル”の誕生
8.むすび


第11章 フィルム色素増感太陽電池の高効率化
桐蔭横浜大学 宮坂 力
1.フィルム化のねらい
2.低温成膜で作製するプラスチック色素増感電池の性能
3.塗布法によるフィルム電極の作製
4.有機色素によるカラフル化と薄膜化
5.高出力電圧のフィルムモジュールの作製
6.拡散光の利用能力を比較する
7.おわりに─環境パーフォマンスが問われるエネルギー商品


第12章 低温焼成型酸化チタンペーストとフレキシブル色素増感型太陽電池の開発
昭和電工(株) 近藤邦夫 田中 淳
昭和タイタニウム(株) 鹿山 進 脇坂案顕
1.はじめに
2.低温成膜のための条件
3.気相法酸化チタンとペースト
4.低温成膜型酸化チタン電極の特性
5.樹脂型DSCの製作と特性
6.低温製膜用酸化チタンペースト
7.おわりに


第13章 太陽電池そのものに蓄電機能がついた
「エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池」
東京大学 瀬川浩司
1.はじめに
2.湿式太陽電池と蓄電機能
3.導電性高分子を用いたES-DSSC
4.セパレータの改良
5.電荷蓄積電極の改良
6.おわりに


第14章 色素増感太陽電池の評価装置
英弘精機(株) 蓑田光博
1.はじめに
2.日射・放射概論
(1)日射・放射の基本
(2)日射・放射センサの種類
(3)全天日射計の原理・構造
(4)トレーサビリティ・検定方法
(5)分光放射計の概要
(6)可視光分光放射計MS-700の原理・構造
(7)ソーラシミュレータ用分光放射計LS-100の概要
(8)色素増感太陽電池評価におけるLS-100の使用方法
3.太陽電池評価概論
(1)I-Vカーブトレーサーの動作原理
(2)電子負荷方式I-VカーブトレーサーMP-160の特徴
(3)耐久性・暴露評価システム



第15章 大型モジュールの高効率化
フジクラ(株) 北村隆之 松井浩志 岡田顕一 江連哲也 田辺伸夫
1.はじめに
2.電池特性を決定する因子
3.高導電性ガラス基板
4.モジュール構造
5.140mm角モジュールの作成
6.さいごに


第16章 色素増感太陽電池の評価技術の確立
シャープ(株) 小出直城 韓 礼元

1.はじめに
2.電流・電圧特性の測定条件依存性
3.ステップ電圧応答特性
4.色素増感太陽電池の正確な評価方法
4.1電圧掃引条件
4.2光照射条件
5.標準試験条件による
  太陽電池評価
6.おわりに






 

技術教育出版(有)
〒166‐0015東京都杉並区成田東3−3−14ニックハイムビル106
Tel/03(5913)8548
Fax/03(5913)8549
Copyright(C)2010-2019 Gijyutukyouiku All Rights Reserved.